ハリクラフターズ社の短波受信機 SX-146 とは?そして改造

この受信機はノビス級から中級クラスのハムに適したオールバンドの短波受信機でHT-46と言う同じような構造の送信機とペアーで使う事を想定されたらしいです。
実際に 機器の写真を見ると両者の外観がそっくりで机の上で並べて配置すると見映えがした事でしょう。
WEB上で見る事が可能です。
下図に示すブロックダイアグラムを見ると単にハイフレIFの高一中二のスーパーラジオです。
しかし詳細に眺めると幾つかの特徴的な箇所が存在します。 この受信機は田山さんの記事を具体化した感じの機器だと思います。
SX-146の特徴
何といってもハイフレのIF段 中心周波数=9MHzの中間周波数増幅段と三つのモードに対応するクリスタルフィルター。
ローカル系がVFOとXCOのプリミクサー構造で、送信機とペアー使いの為のローカル信号を外部へ供給可能。
周波数表示は懐かしい横行ダイアルで直線目盛りです。尚VFOのバリコンはシャーシ上にむき出し。
高周波のミクサー回路及び検波段に双三極管12AT7を使っている。BFOも12AT7を使ってUSB/LSB対応。
RFアンプ管に6JD6 IFアンプ管にはなんと6AU6を使用。そしてオーディオ回路には極めて高価な6GW8を使っていますので改造です。
回路図を見ると電源回路が半端整流で定電圧回路はなし。
そして高周波段のバンド対応が7メガ帯をメインにして3.5メガにはコンデンサーをパラに ハイバンドには小さいコイルを並列接続して高価なコイルを省略しています。これは更に高級なSX-117受信機にも使われていますが
外観写真を見ると構造が良く分かります。
SX-146 RF Section
バンドスイッチは3.5メガ帯にあります。右回しで28メガ帯。

IF=9000KC/Sのシングルスーパー。
販売は1965年〜1968年
SX-117のRF Section
バンドスイッチは28メガ帯にあります。一番右回しで3.5メガ帯。

実はSX-117はコリンズタイプのトリプルスーパーです。
VIF=6.5MHz〜6.0MHz 2nd IF=1650KC/S 3rd IF 50.75KC/S
販売は1962年〜1965年
SX-146の大まかな信号の流れです。

アンテナからの信号は左下へ行き アンテナコイルT1 RF Anp V1 T2を通ってミクサーV2で9メガのIFに変換されフィルターの一つを介して背面側にあるIFアンプで増幅し検波管12AT7とBFO管12AT7で混合され低周波信号になり大きく左上に行き低周波増幅して出力トランスT6へ となっています。

中ほどにある一群はローカル発信回路部分です。

バリコンはVFOのもの その直ぐ左にあるのが高周波コイルに並列に接続してハイバンドに対応するコイル二個です。これは可変型です。

オーディオ回路を改造しました。